神戸ポートミュージアム

CONSTRUCTION
CONCEPT

隆起する大地と浸食する水

神戸の北側に広がる
隆起した山「六甲山」
風雨により削られ
土砂を運び
神戸の街「大地」をつくる

神戸を包む
瀬戸内海と浮かぶ島々
大地を風雨により削られ
波に削られ
力強い「造形」をつくる

水と大地の建築

隆起した大地のような建築
「神戸ポートミュージアム」
大地が隆起し山となり
風雨に 波に 浸食され
水が生み出す力強い大自然の営み

100万年前から隆起がはじまった六甲山地

100万年前の地形→現在の地形
[隆起と浸食の繰り返し]波打ち際の海中が削られて平坦な面ができる→大地が盛り上がり、平坦な面が地表に現れる→繰り返しこの変動が起こると階段のような地形となる

六甲の地形の成り立ちを建築の形に

隆起した大地・緑豊かな島々→波による浸食・水による造形→インパクトのある力強い造形

真髄は細部に宿る

  • 水で削る

    4000㎡の壁を
    300万リットルの水で削る

    骨材・水・セメントを合わせたコンクリートの表面を
    水で削ることで、骨材を露出させ地層の表情をつくる。

  • その土地の色を出す

    「山」の骨材と
    「海」の骨材で地層をつくる

    六甲山地の採掘場と、瀬戸内海・西島の採掘場から、
    それぞれ骨材を採取。含まれる岩石の種類が異なるため、
    その土地ならではの「色」が出る。

  •  大地に植物を植物を

    大地に根を張る大樹
    年を重ねるごとに移ろい変わる外観

    野性味のある植栽を全国各地から収集。
    外壁から顔を出すように植えられたその木々は、
    やがて建物を覆い、自然と同化する。

  • 100年前の煉瓦を使う

    悠久の時を経て、
    街のレガシーを継承

    約100年前のイギリス製煉瓦でつくられた倉庫を解体して出た廃材のレンガを外装・内装に使用。
    同じ街、同じ時代の素材が新たに生まれ変わる。

    MEMO

    神戸ハーバーランド煉瓦倉庫(旧東京倉庫)
    約100年前のイギリス製煉瓦でつくられた倉庫。
    神戸港の発展を支えた当時の姿を今に伝える。
    2007年:神戸市指定 景観形成重要建築物

  • 景色を取り込む

    街と、人と、つながる孔

    不整形な孔は自然が創り出す「浸食」の象徴。
    神戸の景色を、光を、灯を、暖かに取り込み、
    街や人と、生活つなぐ孔となる。

KOBE PORT MUSEUM

KPMができるまで

  1. 土台をつくる

  2. 複雑な鉄筋を組む

  3. 床をはり、壁を立てる

  4. アトリウムの型枠をたてる

  5. 上階の足場を組む

  6. 開口部をつくる

  7. 屋根をつくる

  8. ブルーシートで外壁を覆う

  9. 足場を解体する

  10. 木を植える

  11. たくさん木を植える

  12. 屋根をかける

  13. 床に御影石を貼る

  14. 外壁にイギリス製煉瓦を貼る

  15. ライトアップする

施設概要
規模:地上4階建
延床面積:約7300㎡
開業日:2022年10月29日